研修スライドのイラストは、置くページを選ぶと効く

研修の資料は、講演のスライドと違い、受講者に手を動かしてもらうページを含みます。ワークの指示、ロールプレイの設定、振り返りの問い。イラストが効くのは主にこうしたページで、説明が続くページに毎回絵を足しても理解は進みません。ここでは新入社員向けの電話応対研修を例に、当サイトの素材でスライドを組んで置き方を比べます。

表紙:文字は絵の空いている場所に置く

表紙は研修の空気を決めるページなので、横長の絵を全面に敷くと効きます。ただし文字を置けるのは、絵の中で描き込みの少ない場所だけです。全面に敷く絵を選ぶ段階で、どこに文字が入るかを決めておきます。

空いている場所に置いた例
聞き手の前でマイクを持って話す人のイラスト

新入社員研修 電話応対の基本

  • 第2回 伝言の受け方
上の4割ほどが何も描かれていない絵なので、題名をそこに置いた。発表者に文字がかからない。この素材をダウンロード →
避けたい例
聞き手の前でマイクを持って話す人のイラスト

新入社員研修 電話応対の基本

  • 第2回 伝言の受け方
同じ絵の中央に題名を置いた例。文字が発表者の顔と体に重なり、題名も人物も見づらい。

ワークの指示:何をする時間かを、絵で先に伝える

ペアワークやグループワークの指示のページは、受講者が顔を上げて最初に見るページです。人が向き合って話している絵を置くと、文字を読む前に「話し合う時間だ」と伝わります。指示の文は短くし、時間は必ず書きます。何分の作業なのかが分からないと、受講者はペースを決められません。

机を挟んで話し合う2人の会社員のイラスト

ペアワーク(10分)

  • 電話を受けたときの第一声を、2人で聞き合う
2人が向き合う絵なので、ペアワークだと一目で分かる。上半分の空いた壁に指示を置いた。この素材をダウンロード →

説明のページ:絵を置かない選択をする

手順や要点を説明するページでは、絵は理解の助けになりにくく、置けばそのぶん箇条書きが小さくなります。受講者が持ち帰るべきなのは箇条書きのほうです。説明のページは、文字だけで組むほうが読みやすく仕上がります。

文字だけで組んだ例

電話を受けるときの3つの基本

  • 3コール以内に出る
  • 会社名と自分の名前を名乗る
  • 用件と相手の名前を復唱して確かめる
要点を3つに絞ったページ。絵が無いぶん、後ろの席からも読める大きさを保てる。

ロールプレイの導入:場面を1枚で共有する

ロールプレイやケーススタディでは、どこで、誰と、どういう状況かを最初にそろえる必要があります。文章で3行書くより、場面の絵が1枚あるほうが早くそろいます。絵は片側に寄せ、反対側に状況・役割・時間を書きます。

このとき、絵の人物の年齢や服装が設定と食い違うと、受講者はそちらに引っ張られます。設定の文を先に書いてから、それに合う絵を選んでください。

ヘッドセットを着けてノートパソコンに向かう人のイラスト

ロールプレイ:伝言を受ける

  • 状況:不在の上司あてに取引先から電話が入った
  • 役割:Aさんが受ける側、Bさんが取引先
  • 時間:1人3分で交代
ヘッドセットで電話を受ける人の絵を左に置き、右にロールプレイの条件を並べた。絵が場面を、文字が条件を受け持つ。この素材をダウンロード →

1回の研修の中で、画風をそろえる

この記事の見本は、置き方を比べるために別々の画風の素材を使っています。実際の資料では、表紙とワークとロールプレイで画風がばらばらだと、ページが変わるたびに別の資料のように見えます。研修1回分の絵は、同じ画風の中から選んでください。そろえ方は「複数のイラストを1つの資料に入れると、なぜちぐはぐに見えるのか」にまとめています。

印刷して配るなら

スライドを配布資料として白黒で印刷すると、全面に敷いた絵と文字の境目が見えにくくなることがあります。印刷して配る前提なら、全面に敷くのは表紙だけにして、ほかのページは白い地の上に文字を置く組み方にすると崩れません。絵の大きさや解像度の決め方は「プレゼン資料にイラストを入れるときのサイズと配置」をご覧ください。