AI・クラウド・データのイラストは「何を言ってしまうか」で選ぶ

AI、クラウド、データ。形の無いものを説明する資料では、比喩の絵を使うことになります。比喩は便利ですが、絵柄が本文とは別の主張をすることがあります。「AIで返信文の下書きを作ります」というスライドに人型のロボットを置くと、読む人は「ロボットが対応を代わりにやる」と受け取るかもしれません。よく使われる比喩ごとに、その絵が何を言ってしまうかを整理します。

ロボット:「機械が自分で動く」と言う

人型のロボットは、体を持ち、自分で判断して動くものを連想させます。定型作業の自動化のように、人の手を離れて処理が回り続ける仕組みの説明には合います。書類を受け取って処理している絵なら、何を自動化するのかまで伝わります。

一方で、文章の下書きや要約のように、人が使う道具としてのAIを説明するときは、人型のロボットは言い過ぎになります。人が確認して送るのなら、主役は人です。

絵と本文が合っている
書類を受け取って処理するロボットのイラスト

請求書の入力を自動化します

  • 届いた請求書を読み取り、会計システムへ登録
  • 担当者は月末に一覧を確認するだけ
書類を受け取って処理するロボット。「人の手を離れて回る」という本文と、絵の主張が一致している。この素材をダウンロード →
絵が言い過ぎている
白い人型ロボットのイラスト

返信文の下書きにAIを使います

  • AIが下書きを作る
  • 担当者が内容を確かめて、自分の名前で送る
本文は「人が確認して送る」なのに、人型のロボットが単独で立っている。対応そのものをAIに任せるように読める。この素材をダウンロード →

人の頭とネットワーク:「機械が考える」と言う

人の横顔から線が伸びる絵は、AIを人間の思考になぞらえます。講演の表紙や記事の見出しのように、テーマを印象で伝える場面では強い絵です。ただ、仕組みや限界を説明するページに置くと、「人と同じように理解している」という読み方を後押しします。精度や誤りの話をするページには向きません。

人の横顔から多数の線が放射状に伸びるイラスト
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点と線:「つながりと計算」だけを言う

点と線だけの図は、比喩としては控えめです。主張が少ないぶん、誤解も生みにくい絵です。機械学習の仕組みの説明や、技術寄りの資料には、人型や人の頭よりも合います。

光る点が線で結ばれた網の模型のイラスト
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クラウド:雲の絵だけでは「どこか」にしかならない

雲の形は「どこか遠くにある」ことしか言いません。バックアップや移行の話なら、サーバーと雲と盾が線でつながった図のように、何と何の間で何が起きるのかを描いた絵のほうが、本文を助けます。障害対応や監視の体制のように実際の設備の話をするなら、雲より、サーバーラックの前に人が立っている絵のほうが具体的です。

サーバーと雲と盾のアイコンが線でつながり、横に人が立つイラスト
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右肩上がりの線:「伸びている」と言い切る

右肩上がりの線は、それだけで成長を主張します。実績が伸びた報告なら合いますが、計画や目標のページに置くと、まだ起きていない成長を起きたことのように見せます。数字が横ばいや減少の報告に置けば、絵と本文が逆のことを言います。グラフの絵は、本文の数字の向きと一致するときだけ使ってください。

右肩上がりの線グラフを表示したタブレットのイラスト
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迷ったら、人と画面にする

比喩の絵が本文と合わないときは、人が画面や資料に向かっている絵にすると安全です。何の技術かは本文が言い、絵は「人が仕事で使っている」ことだけを言います。主張が少ないぶん、ずれも起きません。

壁のグラフの前でパソコンに向かって作業する人のイラスト
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選ぶ前に、本文を1文で書く

ここまでの判断は、どれも「本文が何を言っているか」が決まっていないとできません。絵を探す前に、そのページで言いたいことを1文で書いてください。その1文と絵の主張を並べて、食い違っていなければ採用です。