避難訓練のお知らせに載せたイラストは、飾りではなく見本として読まれます。本文を読み飛ばす子も、絵は見ます。だから絵に描かれた動きが学校で教えている動きと食い違っていると、残るのは絵のほうです。雰囲気ではなく、描かれている動きで選ぶための確かめ方をまとめます。
地震のときの基本は「落ちてこない・倒れてこない・移動してこない」場所
文部科学省の「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」は、地震が起きたときの基本行動を、上から物が落ちてこない、横から物が倒れてこない、物が移動してこない場所へ素早く身を寄せることとしています。教師の指示を待たずに、子どもが自分で判断して動けるよう繰り返し訓練することも求めています。
場所ごとの例として挙げられているのは次の3つです。
- 教室など机のある場所では、机の下に隠れる
- 机がない場所では、椅子など落下物を防げるものの下に隠れる
- 隠れるものが何もない場所では、落ちてこない・倒れてこない・移動してこない場所へ移り、低い姿勢でカバンなどで頭を覆う
教室での訓練としては「机の下にもぐって、机の脚をしっかりつかむ」行動が挙げられています。また、耐震化された建物で慌てて外へ飛び出す行動はかえって危険だとしています。
絵の動きを、この基本と照らし合わせる
地震の訓練の絵を選ぶときは、次の点を順に見ます。
- 身を低くしているか。机に向かって座ったまま、という絵は訓練の見本になりません
- 頭を守っているか。机の下にいるか、腕やカバンで頭を覆っているか
- 揺れている最中に走っていないか。外へ駆け出す絵は、手引きが危険だとしている動きそのものです
- 手がどこにあるか。机の脚を持つよう指導している学校では、ここが絵と食い違いやすい点です

絵に合わない動きは、本文で足す
学校で教えている動きとぴったり一致する絵は、なかなか見つかりません。そのときは探し続けるより、本文の書き方で合わせるほうが確実です。絵に描かれた動きを先に書き、絵に無い動きは次の文で足します。逆に、絵に無い動きを一文目に書くと、読む子は文と絵のどちらに従えばいいか迷います。
避難訓練のお知らせ

揺れたら、机の下にもぐり、机の脚をしっかり持ちます。
避難訓練のお知らせ

揺れたら、机の下にもぐって頭を守ります。もぐったら、机の脚をしっかり持ちましょう。
火災のときは「口と鼻を覆う」「姿勢を低く」
火災については、総務省消防庁の防災危機管理eカレッジが、煙の中を逃げるときはできるだけ姿勢を低くし、タオルやハンカチで口をふさいで煙を吸い込まないようにすること、エレベーターは使わず避難階段を使うことを挙げています。東京消防庁も、ハンカチやタオルなどで口と鼻を覆い、低い姿勢で煙の下を逃げるよう説明しています。
火災の訓練の絵では、口と鼻を覆っているか、列になっているか、そして煙の下をくぐる場面を説明するなら姿勢が低いかを見ます。

毎回「教室で机の下」にしない
手引きは、訓練の実施時期が毎年同じになりがちなことを指摘し、休み時間や清掃中、登下校中なども想定して、起きる時間や場所に変化を持たせるよう求めています。担任の指示が届かない場面を想定した訓練も必要だとしています。
お知らせの絵が毎回「教室で机の下」だと、読む側の想定もそこに固定されます。休み時間や掃除の時間を想定した訓練なら、その場面に近い絵を選ぶか、場所を問わない絵——頭を守る姿勢だけを描いたもの——にします。
持ち物や備えの話は、物だけの絵で足りる
防災用品の準備や、引き渡し訓練の持ち物のように、人の動きが要らない話題は、物だけを描いた絵のほうが伝わります。人が描かれていなければ、動きの食い違いも起きません。

参考にした資料
※避難の方法は、学校の立地や校舎の構造によって変わります。お知らせの内容は、各学校の防災マニュアルに合わせてください。